時間をかければ解ける。 解説を読んでも、知らない内容ばかりではない。
それなのに、時間を計って解くと、最後まで終わらない。
法令集を引いているうちに時間が過ぎ、後半は焦って問題文を読み間違えてしまう。
シリーズ最後は、そんな「時間が足りない」タイプについて考えます。
このタイプの人は、法令集を引く速さに加えて、何を確認するために、何回引いているかを見直してみてください。
時間が足りない原因は、引く速さだけではない
法規の時間対策というと、インデックスや線引きを工夫して、目的の条文を速く開くことを考えがちです。
もちろん、必要な条文を迷わず開けることは大切です。
ただ、時間がかかる原因は、それだけではありません。
- 覚えて判断できる内容まで、毎回確認している
- 一つの選択肢で、何を調べるか決めずに法令集を開く
- 条文が見つからず、同じページを何度も行き来する
- 一度確認した内容を、不安になってもう一度確認する
- 一問を解き切ることにこだわり、次へ進めない
こうしたことが重なると、ページをめくる手が速くても、時間は足りなくなります。
まずは、自分がどこに時間を使っているのかを確認します。
法令集を開く前に、確認することを決める
問題文を読んだら、すぐに法令集を開いていませんか。
「何となく不安だから調べる」という引き方では、関連する文章を広く読むことになり、確認に時間がかかります。
法令集を開く前に、
「面積の条件だけ確認する」 「この用途が対象に含まれるか確認する」 「今回は例外に当てはまるか確認する」
というように、調べることを一つに絞ってみてください。
例えば、規定の内容は分かっていて、数値だけが曖昧なのであれば、その数値を確認します。
反対に、数値は覚えていても、適用条件が分からないのであれば、条件を確認する必要があります。
自分が何を判断できていて、何がまだ分からないのか。
そこを分けると、法令集で確認する範囲も絞れます。
覚えて判断できる内容を、少しずつ増やす
法令集を持ち込めるからといって、すべてを毎回調べていると時間がかかります。
過去問で何度も扱い、条件も含めて判断できる内容は、法令集を開かずに解けるようにしていきます。
ただし、「見覚えがある」「答えを覚えている」だけで確認を省くのは不安が残ります。
目安にしたいのは、
なぜ正しいのか、どこが誤っているのかを説明できるか。
という点です。
同じ系統の問題で、条件が変わっても安定して判断できるのであれば、確認を省ける候補になります。
勉強中は、まず自分で判断し、その後に解説や法令集で確かめてみてください。
この繰り返しで、「調べなくても判断できる内容」と「まだ確認が必要な内容」が分かってきます。
最初から、引かない問題を無理に増やす必要はありません。
「不安だから全部確認する」を見直す
知識はあるのに、間違えるのが怖くて全選択肢を確認してしまう人もいます。
確認すれば安心できますが、そのために後半の問題を解く時間がなくなれば、別のところで点数を落とすことになります。
例えば、誤っているものを一つ選ぶ問題で、ある選択肢の誤りを明確な根拠で判断できたとします。
その場合、残りの選択肢も読んだうえで、すべてを法令集で確認する必要があるかを考えます。
問題の指示を取り違えていないか。 自分が見落とした条件はないか。 誤りの根拠は明確か。
ここまで確認できているのに、安心するためだけに調べ続けていないでしょうか。
正誤を判断するための確認が終わったら、次へ進む。
これも、時間内に解くために必要な練習です。
見つからないときは、いったん離れる

一つの条文が見つからないと、
「もう少し探せば見つかる」 「ここまで調べたのだから、答えを出したい」
と思うことがあります。
しかし、探し続けても、次に何をすれば見つかるのか分からない状態なら、時間だけが過ぎてしまいます。
例えば、
- 同じページを何度も開いている
- 次に見る条文の見当がつかない
- 読んでいるうちに、何を確認したかったか分からなくなった
という状態になったら、いったん後回しにします。
その際は、問題用紙に「面積を確認」「例外が不明」など、残っている確認事項を短く書いておくと、戻ったときに最初から考え直さずに済みます。
後回しにすることは、その問題を諦めることではありません。
先に解ける問題を進め、時間を残してから戻るための判断です。
時間を計った後は、長くかかった問題を振り返る
時間を計って過去問を解くことは大切ですが、「また間に合わなかった」で終わると、次も同じ解き方になってしまいます。
解き終わったら、特に時間がかかった問題を振り返ります。
確認したいのは、次のようなことです。
- そもそも何を調べるか分からなかったのか
- 条文への道順で迷ったのか
- 条文を読んでも判断できなかったのか
- 数字や例外の区別に時間がかかったのか
- 判断できていたのに、何度も確認したのか
原因によって、次に行う練習は変わります。
条文への道順で迷ったのであれば、その道順をたどり直します。
似た数字が混ざったのであれば、違いを整理します。
判断できていたのに確認を繰り返したのであれば、どの時点で次へ進めたかを考えます。
かかった時間だけでなく、何に時間を使ったかを振り返ることが大切です。
勉強中の確認と、本番を想定した演習を分ける
勉強中は、時間をかけて条文を読み、関連する規定まで確認することも必要です。
その作業によって、知識や法令集の道順が身につきます。
一方、時間を計る演習では、身につけた内容を使い、限られた時間で判断する練習をします。
分からないところをその場ですべて理解しようとすると、演習が途中から復習に変わってしまいます。
時間を計っている間は、分からない問題に印を付けて進む。 解き終わってから、法令集を開いて確認する。
このように分けると、自分の知識でどこまで解けるか、どこで時間を使いすぎるかが見えやすくなります。
まとめ|引く速さと、引く場面を整える
法規で時間が足りなくなる人は、次のことを試してみてください。
- 法令集を開く前に、何を確認するか決める
- 根拠を説明できる内容は、自分で判断する練習をする
- 必要な確認が終わったら、次の問題へ進む
- 探す手がかりがなくなったら、いったん後回しにする
- 演習後は、何に時間を使ったかを振り返る
目指すのは、必要な内容を確かめながら、時間内に正誤を判断できる状態です。
問題を繰り返し解く中で、自分で判断できる内容を増やし、法令集では分からない部分を確認する。その使い分けを少しずつ身につけていきます。
このシリーズでは、「法規が苦手」を5つのタイプに分けて考えてきました。
調べる場所が浮かばない。 問われていることが分からない。 条文の途中で迷う。 数字や例外が混ざる。 時間が足りない。
同じように問題を間違えても、止まっている場所は違います。
自分がどこで止まっているかを見つけ、その部分に合った練習をする。
過去問を解いた後は、正解・不正解と一緒に、そこも振り返ってみてください。
シリーズの入口|あなたはどこで止まっている?5つの苦手タイプ
「法規が苦手な人へ」シリーズ
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- タイプ1:問題文を読んでも、何を調べればよいか分からない人へ
- タイプ2:問題で何を聞かれているか分からない人へ
- タイプ3:条文は見つかるのに、その先で迷う人へ
- タイプ4:数字・適用範囲・例外が混ざってしまう人へ
- タイプ5:法令集を引いていると時間が足りなくなる人へ(この記事)
