数字は覚えている。 見たことのある規定も増えてきた。

それなのに、問題を解くと間違える。

解説を読んで、

「その数字は知っていた」 「別の規定と勘違いしていた」 「例外があるのを忘れていた」

と思うことはないでしょうか。

今回は、勉強して知識が増えてきた一方で、似た数字や規定が混ざってしまう人について考えます。

このタイプの人は、新しい知識を増やす前に、すでに覚えた知識の違いを整理することが必要です。

数字を知っているだけでは、使い分けられない

問題文に見覚えのある数字が出てくると、

「この数字は合っているはず」

と判断したくなります。

しかし、その数字を覚えていても、別の規定の数字であれば、正誤を判断する根拠にはなりません。

例えば、同じ「面積」でも、

  • 何の手続きが必要になる面積なのか
  • どの設備を設ける必要がある面積なのか
  • 建築物全体の面積なのか、一部の面積なのか

によって、確認する内容は違います。

数字だけが頭に残っていると、その数字をどこで使うのかが曖昧になります。

大切なのは、何について、どのような条件で使う数字なのかまで一緒に覚えることです。

「何が、どうなる数字か」を一文にする

整理するときは、難しく考える必要はありません。

数字だけを抜き出すのではなく、

何が、どの条件に当てはまると、どうなるのか。

という一文にしてみます。

例えば、ノートに「○㎡」とだけ書いてあっても、後で見たときに何の数字か分かりません。

そこで、

この用途の建築物で、対象となる部分の面積が○㎡を超える場合は、△△が必要になる。

という形にします。

これは整理の形を示した例ですが、こう書けば、数字と一緒に確認すべきことが見えてきます。

  • 対象となる用途は何か
  • どの部分の面積を使うのか
  • 「以上」なのか「超える」なのか
  • 条件に当てはまると、何が必要になるのか

一文にできない部分があれば、そこがまだ曖昧なところです。解説や法令集に戻って確認します。

数字を覚え直す前に、その数字の使い道をはっきりさせます。

「以上」と「超える」は、境目で確認する

「以上」と「超える」を取り違える人は、言葉だけで覚えようとせず、境目の数値を当てはめてみてください。

例えば、「100以上」と「100を超える」なら、100ちょうどの場合を考えます。

  • 100以上には、100を含む
  • 100を超える場合には、100を含まない

「以下」と「未満」も同じです。

  • 100以下には、100を含む
  • 100未満には、100を含まない

意味は知っていても、問題を急いで読むと見落とすことがあります。

間違えたときは、数字だけに印を付けるのではなく、「以上」「超える」まで含めて確認します。

ちょうどその数値だったら、対象になるか。

この確認を入れると、違いを具体的に捉えやすくなります。

混ざる規定は、並べて違いを見る

数字を対象・条件・数字・結論とセットで整理する前後の比較図
数字を対象・条件・数字・結論とセットで整理する前後の比較図

似た規定を混同する場合は、それぞれを別々に覚え直すだけでは、また同じ間違いをすることがあります。

そんなときは、自分が混同した二つを並べてみます。

確認するのは、例えば次の項目です。

  • 対象となる建築物や用途
  • 新築、増築、用途変更などの行為
  • 面積、高さ、階数などの条件
  • 区域による違い
  • 条件に当てはまった場合の扱い

すべてを書き写す必要はありません。

用途を取り違えたのであれば、用途の違いを並べます。 面積の取り方を間違えたのであれば、どの部分の面積を使うかを並べます。

目的は、きれいな一覧表を作ることではありません。

自分が何と何を混同したのか、その違いが分かれば十分です。

例外は、原則とつなげて覚える

原則は覚えているのに、例外で間違えることもあります。

このとき、例外だけを新しく暗記しようとすると、覚えることが一つ増えるだけになってしまいます。

整理するときは、

原則は○○。ただし、△△の条件では扱いが変わる。

というように、原則と例外をつなげます。

そのうえで、間違えた問題文のどの条件が、例外に当てはまっていたのかを確認します。

例えば、解説を読んで「この場合は適用されない」と分かったら、そこで終わらせず、

「問題文のどの記載から、その扱いになると判断するのか」

まで戻って確認します。

例外があることを知っていても、問題文からその条件を拾えなければ、正解にはつながりません。

例外の内容と、それを使う条件を一緒に押さえます。

まとめるのは、自分が混同するものだけでよい

勉強が進むと、関連する規定を全部まとめたくなることがあります。

しかし、情報を足し続けると表が大きくなり、どこを見ればよいか分からなくなります。作ることに時間を使い、見返さなくなることもあります。

最初から、法規全体を整理する必要はありません。

まずは、過去問で実際に混同したものだけで構いません。

二つの規定で迷ったら、その二つを比較する。 例外を忘れたら、原則の横にその条件を付け加える。 「以上」と「超える」を間違えたら、その違いを残す。

そうすれば、自分の間違いに合わせた、小さな整理になります。

すでに区別できている内容まで、同じ量で書き直す必要はありません。

整理したら、問題に戻って使ってみる

表やメモを作っただけでは、問題で使い分けられるかどうかは分かりません。

整理した後は、混同した問題をもう一度解きます。

そのときは、正解できたかに加えて、

「この条件だから、こちらの規定を使う」 「この数値ちょうどなので、対象に含まれる」 「今回は、この条件があるので例外になる」

と言えるかを確認します。

さらに、同じ系統で条件の違う問題も解いてみます。

並べて整理した違いが、問題文の中でも見分けられるようになれば、その整理が役に立っています。

まだ迷うのであれば、書く情報を増やす前に、何の違いが分からなかったのかを見直します。

まとめ

数字や規定が混ざってしまうときは、数字だけを何度も覚え直すのではなく、次の点を確認します。

  • 何について、どの条件で使う数字なのか
  • 「以上」「超える」など、境目を含むかどうか
  • 混同した規定は、どこが違うのか
  • どの条件に当てはまると、例外になるのか

整理するのは、自分が実際に間違えたものからで構いません。

そして、整理した後は問題に戻り、条件を見て使い分けられるか確認します。

知っている数字を増やすだけでなく、知っている数字を正しい場面で使えるようにする。

それが、このタイプの人に必要な勉強です。

「法規が苦手な人へ」シリーズ

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