何について問われているかは分かる。 基本となる条文も見つけられる。

でも、「政令で定める」「別表による」と書かれていて、次にどこを見ればよいか分からない。

移動先を探しているうちに、最初に何を確認しようとしていたのかも分からなくなる。

今回は、そんなふうに法令集を引く途中で迷ってしまう人について考えます。

このタイプの人に必要なのは、最初の条文から、答えを判断できる場所までたどる練習です。

最初の条文だけでは答えが出ないことがある

法規の問題は、一つの条文を開けば答えが出るとは限りません。

例えば、最初の条文には「対象となる建築物」が書かれていても、具体的な条件は施行令、必要な数値は別表に書かれていることがあります。

その場合は、

  • 最初の条文で、対象に当てはまるか確認する
  • 参照先の規定で、具体的な条件を確認する
  • 別表で、該当する数値を確認する

というように、いくつかの場所を行き来します。

最初の条文を見つけることは、入口に着くことです。そこから先へ進まなければ、正誤を判断できない問題もあります。

タイプ1で扱ったのは、法令集のどの辺りに何が書かれているかという「地図」でした。

今回は、その地図の中で、答えまでどう進むかという「道順」の話です。

答えの条文だけ確認していませんか?

過去問を間違えたとき、解説に書かれた条文番号を見て、そのページを開く。

該当する文章を読み、「確かにそう書いてある」と確認して終わる。

この復習でも、正解の根拠は分かります。

ただし、解説を見れば開けることと、問題文を読んで自分でそこへ行けることは別です。

例えば、解説を見て別表の数値を確認できたとしても、

「どの条文から、この別表へ進むのか」 「なぜ、この行や欄を使うのか」

が分からなければ、次に似た問題が出たときも迷ってしまいます。

毎回同じ場所を探し直している人は、答えが書かれた場所は確認していても、そこへ行くまでを練習できていないのかもしれません。

解説を読んだ後、入口に戻ってたどり直す

復習では、正解の根拠を確認した後に、もう一度問題文へ戻ります。

そして、最初に開く条文から、実際に法令集をたどり直してみてください。

確認するのは、次の3つです。

1.最初にどの条文を開くのか

まず、その問題で入口になる条文を確認します。

解説に複数の条文番号が書かれている場合も、ただ順番に開くのではなく、「この問題なら、まずどこを見るのか」を押さえます。

最初は解説を見ながらで構いません。

2.何を手がかりに、次の規定へ進むのか

次に、条文の中のどの記載から、別の規定へ移動するのかを確認します。

別の条文番号が示されているのか。 具体的な内容を政令で定めると書かれているのか。 別表を参照するよう書かれているのか。

移動先だけでなく、移動するきっかけになった文章を確認します。

ここが分かると、次に同じ条文を開いたときも、進む方向を見つけやすくなります。

3.移動先で何を確認するのか

移動先のページを開くことが目的ではありません。

対象となる用途を確認するのか。 面積などの条件を確認するのか。 必要な数値や、適用除外を確認するのか。

「ここでは何を調べるのか」を意識して読みます。

例えば、別表を開いたら、数値だけを見るのではなく、問題文のどの条件からその行・欄を選んだのかも確認します。

どこへ進むかと、何を確認するかをセットにする。

これが、道順を身につけるためのポイントです。

同じ系統の問題を続けて解く

一度たどっただけでは、道順はなかなか覚えられません。

そこで、同じ系統の問題を続けて解きます。

最初の問題では、解説を見ながら入口から答えまでたどります。

次の問題では、先ほど使った道順を思い出しながら、自分で引いてみます。

途中で分からなくなったら、解説で確認し、その場所から先をもう一度たどります。

これを繰り返していくと、

「この問題なら、まずここを開く」 「この条件は、次にこちらで確認する」

という流れが少しずつ身についてきます。

ただし、似た問題でも、条件が変われば確認する規定や別表の欄が変わることがあります。

ページをめくる順番だけを覚えるのではなく、問題文の条件と照らし合わせながら進めることが大切です。

インデックスは、迷う場所に合わせて使う

法令集を引くのが遅いと、インデックスを増やしたくなるかもしれません。

しかし、目印が増えても、次に何を確認するか分からなければ、そこで止まってしまいます。

まずは過去問を解き、自分がどこで迷うのかを確認します。

毎回、入口のページを探すのに時間がかかるのか。 別の規定へ移動するところで迷うのか。 別表を開いた後、該当する欄を選べないのか。

入口を探すのに時間がかかるなら、インデックスが役立つかもしれません。

一方、別表のどの欄を使うか分からないのであれば、必要なのは目印を増やすことより、問題文の条件と表の見出しを照合する練習です。

自分が止まる場所を確認してから、必要な工夫をする。

その方が、法令集も使いやすくなります。

最後は、問題を解く中で道順が身につけばよい

最初から、条文番号や移動先を全部覚えようとする必要はありません。

解説で道順を確認する。 実際に法令集でたどる。 同じ系統の問題でもう一度使う。

この繰り返しで、少しずつ迷わず進めるようになっていくことが理想です。

最初は時間がかかっても構いません。何度も同じ道順を使ううちに、探す時間や、次にどこを見るか考える時間が減っていきます。

まとめ

条文は見つかるのに、その先で迷う人は、過去問の復習で次のことを確認してみてください。

  • 最初に開く条文はどこか
  • どの記載を手がかりに、次の規定へ進むのか
  • 移動先で何を確認するのか
  • 問題文のどの条件から、使う規定や別表の欄を選ぶのか

確認したら、入口に戻って実際にたどり直し、同じ系統の問題でも使ってみます。

答えの場所を確認するだけでなく、そこへ行くまでを練習する。

その積み重ねで、法令集の中で迷う時間を減らしていきましょう。

「法規が苦手な人へ」シリーズ

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