前回は、施工を「建物ができるまでの流れ」として大きく整理しました。

今回は、その流れの前半にあたる墨出しから建方までを見ていきます。

施工①|専門用語の前に、工事の流れをつかもう

墨出しから建方までは、こう進む

建物はいきなり柱や梁をつくるわけではありません。

まず位置を現場へ示し、地面を掘り、土を支え、基礎をつくり、そこから骨組みを立ち上げていきます。

墨出しから建方までの施工の流れ
墨出しから建方までの施工の流れ

大きな流れは、

位置を出す → 掘る → 支える → 基礎をつくる → 骨組みをつくる

です。

専門用語は、この流れのどの場面かを意識して覚えると理解しやすくなります。

墨出しは「図面の位置を現場へ写す」

墨出しは、図面上の柱・壁・基準線などの位置を、実際の現場へ示す作業です。

施工では、図面どおりの位置に建物をつくる必要があります。そのため、まず基準となる位置を現場へ正確に移します。

根切りは掘る、山留めは支える

基礎や地下部分をつくるために地面を掘る作業が根切りです。

深く掘ると周囲の土が崩れる危険があるため、掘削部分を支える必要があります。この作業・仕組みが山留めです。

根切りと山留めの違い
根切りと山留めの違い
  • 根切り=必要な深さ・範囲まで地面を掘る
  • 山留め=掘った周囲の土が崩れないように支える

この2つをセットで覚えると整理しやすくなります。

建物の重さは、基礎から地盤へ伝わる

地面を掘った後は、建物の荷重を安全に地盤へ伝える部分をつくります。

ここで、基礎、地業、杭、捨てコンクリートなどの言葉が出てきます。

建物の荷重が基礎・杭・地盤へ伝わるイメージ
建物の荷重が基礎・杭・地盤へ伝わるイメージ

まずは、

建物の荷重 → 柱・壁 → 基礎 → 杭・地盤

という力の流れをイメージしてください。

細かな種類はその後で十分です。

RC造は「鉄筋・型枠・コンクリート」の順番を見る

鉄筋コンクリート造では、鉄筋を組み、型枠をつくり、コンクリートを打ち込みます。

RC造の配筋・型枠・コンクリート・養生・脱型の流れ
RC造の配筋・型枠・コンクリート・養生・脱型の流れ

大まかな流れは、

  1. 配筋する
  2. 型枠を組む
  3. コンクリートを打ち込む
  4. 締固める
  5. 養生する
  6. 必要な強度を確認して型枠を外す

です。

打込みと締固め

打込みは、型枠内へ生コンクリートを入れる作業です。

締固めは、バイブレータなどでコンクリートを密実にし、型枠内へしっかり行き渡らせる作業です。

養生と脱型

養生は、コンクリートが適切に固まるまで、乾燥や急激な温度変化などから守ることです。

脱型は、必要な強度が得られた後に型枠を外す作業です。

鉄骨造では建方で骨組みを立ち上げる

鉄骨造では、工場で製作した柱や梁を現場へ運び、組み立てて骨組みをつくります。この作業が建方です。

鉄骨造の建方の流れ
鉄骨造の建方の流れ

柱を建て、梁を掛け、ボルトで固定し、建入れを直しながら骨組みを整えていきます。

用語を「作業場面」に変換する

施工用語は、言葉だけで覚えるより、現場で何をしている場面かに置き換えると理解しやすくなります。

  • 墨出し=位置を示している
  • 根切り=地面を掘っている
  • 山留め=土を支えている
  • 配筋=鉄筋を組んでいる
  • 型枠=コンクリートの形をつくっている
  • 養生=コンクリートが固まるまで守っている
  • 建方=鉄骨の柱・梁を組み立てている

次は骨組みができた後

ここまでで、建物の骨組みが見えてきました。

次は、防水、外装、建具、内装、設備、検査・引渡しといった仕上げ側の流れを整理します。

施工③|仕上げ工事をざっくり解説