前回は、計画の点数が伸びない人に多い原因を整理しました。

計画には新出問題や初見問題があるため、すべてを過去問の暗記だけで取ることはできません。

だからこそ重要なのは、過去問から判断できる問題を落とさないことです。

一方で、過去問を何巡しても点数が安定しない人は、過去問を「正解すること」で終わらせている可能性があります。

さらに計画では、建築作品や用途別計画など、文章だけでは整理しにくい知識も多くあります。

今回は、過去問を本試験で使える知識へ変えるための復習方法を整理します。

1問の復習で確認したいこと
1問の復習で確認したいこと

※以下の例文は、復習方法を説明するための例です。実際の過去問をそのまま掲載したものではありません。

1.正解番号ではなく、4つの選択肢を見る

四肢択一の問題では正解は1つですが、含まれている知識は1つではありません。

例えば学校建築で、

地域住民にも開放する体育館を校舎の奥に配置し、外部利用者が昇降口を通って利用する計画とした。

という選択肢があったとします。

「これは誤り」と覚えるだけでは、別の表現になったときに対応できません。

ここで確認するのは、

  • どこが不適当なのか
  • なぜ不適当なのか
  • どう直せばよいのか

です。

この例なら、外部利用者が学校内部へ入り、児童・生徒の動線と交わりやすくなることや、管理上の負担が増えることが問題になります。

持ち帰るべきなのは文章そのものではなく、

地域開放部分は、外部から利用しやすく、学校内部への影響を抑えやすい位置に計画する

という判断基準です。

2.誤った選択肢は、正しい文章へ直す

解説を読むだけで終わらせず、誤った文章を自分で正しい形に直せるか確認します。

例えば、

落水荘は、ル・コルビュジエによって設計された住宅である。

という文章なら、

落水荘は、フランク・ロイド・ライトによって設計された住宅である。

と直せるかを確認します。

これで、どこが誤りだったのかが明確になります。

さらに、

  • 落水荘
  • フランク・ロイド・ライト
  • 滝や岩場と一体化した構成
  • 水平線を強調した外観

のように、作品名・設計者・特徴を結びつけます。

建築作品は名前ではなくイメージと結びつける
建築作品は名前ではなくイメージと結びつける

作品名から外観を思い出す。 外観や特徴から作品名や設計者を思い出す。

計画で建築作品を覚えるときは、この往復が大切です。

3.文章だけで理解せず、イメージへ変換する

計画は文章で出題されますが、理解まで文章だけで済ませる必要はありません。

特に、

  • 建築作品
  • 学校や病院の動線
  • 劇場や図書館のゾーニング
  • 各室の配置関係

は、イメージへ変換した方が整理しやすくなります。

建築作品は「名前」から「見た目」へ

作品名、設計者、特徴を文字だけで並べるのではなく、外観や空間の特徴と結びつけます。

作品名 → イメージ → 特徴 特徴 → 作品名・設計者

という往復を作ります。

動線や配置は、簡単な図にする

例えば病院で、

手術部は、外来患者が利用しやすいよう、一般外来部門との近接性を最優先して配置する。

という文章があったとします。

病院計画は文章ではなく動線図で考える
病院計画は文章ではなく動線図で考える

病院では、

  • 外来患者
  • 入院患者
  • 医療スタッフ
  • 物品
  • 清潔な器材
  • 廃棄物

など、複数の動きが関係します。

文章をそのまま覚えるのではなく、

  • 病棟 → 手術部
  • 救急 → 手術部
  • 材料供給 → 手術部

のように矢印で書けば、手術部は外来との近さだけで決めるものではないことが見えやすくなります。

4.正解した問題も「判断の確かさ」で分ける

正解・不正解だけで分けると、曖昧な正解を見逃します。

そこで、例えば次の3段階で考えます。

○:根拠を持って判断できた

4つの肢について、おおむね正誤の理由を説明できる状態です。

△:正解したが迷った

2つで迷った、根拠が曖昧だった、違和感だけで選んだなどの状態です。

正解でも復習対象です。

×:間違えた、または判断できなかった

知識不足、混同、読み違い、感覚的判断などがあります。

優先して見直します。

大切なのは、正解したかではなく、もう一度同じ考え方を使えるかです。

5.間違えた理由を分類する

すべての不正解を「覚えていなかった」で済ませると、対策が見えません。

原因は例えば、

  • 知識を知らなかった
  • 似た知識が混ざった
  • 問題文を読み違えた
  • 根拠なく選んだ
  • 過去問の文章の形だけを覚えていた

に分けられます。

原因が違えば、やるべき復習も違います。

不正解の横に一言だけでも原因を残すと、自分の間違い方が見えてきます。

6.次にも使える判断基準を持ち帰る

過去問の役割は、過去の文章をそのまま覚えることではありません。

本試験で使える判断基準を増やすことです。

学校建築なら、

  • 外部利用者と児童・生徒の動線を分ける
  • 地域開放部分は外部から直接使いやすくする
  • 学校内部への立入りを増やしすぎない
  • 管理範囲を区切りやすくする

といった考え方へ変換します。

病院なら、誰が・何が・どこへ動くかを見る。

建築作品なら、作品名・設計者・外観や空間の特徴・時代を結びつける。

過去問を解いたら、

この問題から、ほかの問題にも使える考え方は何か

を1つ持ち帰ります。

1問の復習で確認したい4つ

迷った問題や間違えた問題では、最低限次の4点を確認します。

  1. どこで正誤が決まったのか
  2. 誤った文章を正しく直せるか
  3. なぜ迷ったのか・間違えたのか
  4. 文章だけで分かりにくければ、イメージへ変換できるか

毎回長いノートを作る必要はありません。

一言ずつ確認するだけでも、復習の中身は変わります。

過去問は周回数より、復習の中身

3巡した人が、必ず1巡した人より理解しているとは限りません。

正解番号を覚えながら周回するより、

  • 4つの肢を確認する
  • 誤文を直す
  • 迷った正解も復習する
  • 間違えた理由を分ける
  • 必要に応じてイメージ化する
  • 次にも使える判断基準を持ち帰る

という復習を重ねた方が、本試験で使える知識は増えていきます。

前回:計画の点数が伸びない人へ①

次回は、増えてきた知識をどう整理すれば使いやすくなるのかを扱います。

計画の点数が伸びない人へ③|知識を整理して点数を安定させる方法