一級建築士学科試験の勉強では、最初に細かな予定を決めるより、試験日から逆算して大枠を作ることが重要です。

学習範囲が広いため、期限を決めずに進めると、

  • このペースで間に合うのか
  • いつまで1巡目を続けるのか
  • 2巡目・3巡目の時間を確保できるのか

が分かりにくくなります。

そこで、過去問3巡を前提に、まずは合格までの地図を作ります。

まず決めるのは4つ

学習計画の骨格として、次の4点を決めます。

  • 過去問は3巡を目安にする
  • 1巡目・2巡目・3巡目の期間をおおむね3:2:1で考える
  • 試験直前に調整期間を確保する
  • 週1回、進捗を見直す

3巡すべてを同じ期間にする必要はありません。

一般に1巡目は、初めて見る問題や調べ物が多く、最も時間がかかります。

2巡目では一度見た問題が増え、3巡目ではさらに対象を絞りやすくなります。

そのため、計画段階では1巡目を最も長く取る考え方が使いやすくなります。

モデルケース

学科試験のモデルケース
学科試験のモデルケース

以下は、直前の調整期間を4週間確保したうえで、過去問3巡を配分する目安です。

プラン1巡目2巡目3巡目直前調整週あたり時間の目安
1年24週16週8週4週約19時間
9か月18週12週6週4週約26時間
6か月11週7週4週4週約38時間
4.5か月8週5週3週4週約50時間

これは「この通りにやれば合格する」という表ではありません。

自分の開始時期や確保できる時間を考えるためのモデルケースです。

1巡目は「全部覚える期間」ではない

1巡目を長めに取る理由は、最初から完璧に覚えるためではありません。

1巡目では、

  • 問題の出され方を知る
  • 科目や単元の全体像を知る
  • 解説の読み方に慣れる
  • 法規なら法令集を引く
  • 構造計算なら手を動かす
  • 自分の苦手分野を知る

ことを優先します。

分からない問題が残っても構いません。

1巡目で全範囲に触れ、2巡目で理解度を確認し、3巡目で弱点を絞る。

この順番で考えると、1巡目で止まりにくくなります。

2巡目は「ふるいにかける期間」

2巡目では、単にもう一度解くのではなく、問題を分けていきます。

例えば、

  • 理由まで説明できる
  • 正解したが説明はあいまい
  • もう一度間違えた
  • ほとんど覚えていない

といった形です。

ここで重要なのは、正解したかだけで判断しないことです。

理由まで説明できる問題は優先度を下げ、理解があいまいな問題を3巡目や復習へ残します。

3巡目は「残った弱点を潰す期間」

3巡目では、すべてを同じ重さで解く必要はありません。

2巡目までに見えてきた、

  • 間違えやすい問題
  • 理由を説明できない問題
  • 苦手単元
  • 法令集で時間がかかる部分
  • 計算手順が不安な問題

を中心に確認します。

1巡目より3巡目の期間を短くできるのは、この段階で対象を絞れるからです。

直前調整期間を最初から空けておく

計画を立てるときに、試験前日まで3巡目を詰め込まないようにします。

直前には、

  • 計画の遅れを回収する
  • 苦手分野を再確認する
  • 模擬試験を受ける
  • 法規や構造計算の時間感覚を整える
  • 本試験に向けて全体を仕上げる

時間が必要です。

そのため、最初から最後の4週間程度を調整期間として確保する考え方が有効です。

自分に合う期間を考える

同じ3巡でも、勉強期間によって週あたりに必要な時間は変わります。

学科試験の標準学習時間の目安
学科試験の標準学習時間の目安

さらに、試験日から逆算すると、1巡目・2巡目・3巡目をいつ頃までに終えるかの大まかな目安も見えてきます。

合格までの逆算スケジュール早見表
合格までの逆算スケジュール早見表

1年プラン

1年程度ある場合は、勉強習慣を作りながら1巡目を進めやすくなります。

ただし、期間が長いからこそ、

まだ時間がある

と考えて1巡目が長引くことには注意が必要です。

1巡目の期限を先に決めておきましょう。

9か月プラン

9か月程度の場合は、毎週ある程度まとまった学習時間が必要になります。

1巡目で一問ずつ止まりすぎると、2巡目以降が圧迫されます。

分からないところが残っても、期限を意識して全体を進めることが重要です。

6か月・4.5か月プラン

6か月以下になると、必要な週あたり学習時間はかなり大きくなります。

働きながら進める場合は、

  • すでに基礎知識があるか
  • 受験経験があるか
  • 生活時間をどこまで勉強へ振り替えられるか

を現実的に確認してください。

数字上は可能でも、毎週継続できなければ計画としては成立しません。

問題数は進捗確認のための目安

「1日○問」と決めることは便利ですが、問題の重さは同じではありません。

知識問題と法規、構造計算では、1問に必要な時間が大きく違います。

そのため、

問題数は進み方を見る目安であり、絶対的なノルマではない

と考えてください。

1日単位で遅れても、週単位で調整できれば問題ありません。

週1回は計画を見直す

長期計画は、作ったままにしないことが重要です。

毎週一度、

  • 予定どおり進んだか
  • 何に時間がかかったか
  • 来週の目標は現実的か
  • 1巡目の期限を守れそうか

を確認してください。

計画は、実際の進捗を見ながら修正していくものです。

開始日と試験日、または週に確保できる勉強時間から逆算したい場合は、過去問3巡の学習計画ツールも利用できます。

大枠を作り、実際に勉強しながら調整していきましょう。