前回は、構造計算で出てくる言葉を整理し、荷重 → 反力 → 部材内部の応力という大きな流れを確認しました。

今回は、その中の「反力」に進みます。

構造の計算問題が苦手な人へ①|言葉を知る

力のつり合いは「勝手に動かない」ということ

構造物が静止しているということは、勝手に上下・左右へ動いたり、回転したりしない状態です。

例えば梁に下向きの荷重がかかっていても、支点が上向きに支えるため梁は落ちません。

荷重と支点反力がつり合うイメージ
荷重と支点反力がつり合うイメージ

つまり、荷重によって動こうとする力と、それを止める反力がつり合っていると考えます。

つり合いは3つに分けて考える

構造計算では、つり合いを大きく3つに分けて考えます。

  1. 上下方向に動かない
  2. 左右方向に動かない
  3. 回転しない
上下・左右・回転の3つのつり合い
上下・左右・回転の3つのつり合い

公式を使う前に、まずこの3条件を言葉で理解しておくことが大切です。

上下方向のつり合い

梁に下向きの荷重がかかると、支点には上向きの反力が生じます。

反力は突然現れる数字ではありません。部材が動かないように支点が支える力です。

左右方向のつり合い

横向きの力が作用する場合は、その力によって部材が横へ動かないようにする反力を考えます。

どの方向の反力が生じるかは、支点がどの方向の動きを止めているかで決まります。

回転のつり合い

力は部材を上下・左右へ動かすだけでなく、回転させようとすることがあります。

構造物が静止しているなら、この回転もつり合っている必要があります。

支点反力は「動けない方向」に生じる

支点の種類によって、止められる動きが違います。

  • ローラー支点:主に垂直方向を支える
  • ピン支点:垂直・水平方向を支えるが回転は許す
  • 固定支点:垂直・水平・回転を止める

したがって、反力は支点が動きを拘束している方向に生じると考えると理解しやすくなります。

反力を求める問題では何を考えているのか

支点反力を求める問題では、いきなり計算式を見る前に、次の順番で考えます。

  1. 荷重はどの向きにかかっているか
  2. 部材はどの方向へ動こうとするか
  3. 支点はその動きをどう止めているか
  4. そのためにどの反力が必要か

反力は、構造物を静止させるために支点がどれだけ支えているかを表しています。

単純梁で見る支点反力

単純梁は、左右の支点で支えられたシンプルな梁です。

梁に下向きの荷重がかかると、左右の支点に上向きの反力が生じます。

単純梁の荷重と左右の支点反力
単純梁の荷重と左右の支点反力

荷重が中央にあれば、左右の支点がほぼ均等に負担します。荷重が左へ寄れば左支点の反力が大きくなり、右へ寄れば右支点の反力が大きくなります。

日常で重い荷物を2人で持つとき、荷物が片方に近いほどその人が重く感じるのと同じイメージです。

上下だけでなく「回転しない」も見る

梁の問題では、上下方向の力だけ合わせても十分ではありません。

荷重の位置によって梁は回転しようとするため、回転のつり合いも確認する必要があります。

この考え方が、モーメントを使った支点反力の計算へつながります。

反力が分かると、次に部材内部の力が見える

構造計算は、

荷重 → 反力 → せん断力・曲げモーメントなどの応力

という流れで進みます。

今回の段階では、細かな計算よりも、

  • 反力は部材が動かないために生じる
  • 上下・左右・回転のつり合いを見る
  • 支点が拘束する方向に反力が生じる
  • 荷重の位置によって左右の反力は変わる

という意味を理解しておけば十分です。

次は、梁の内部に生じるせん断力や曲げモーメントへ進みます。