一級建築士の法規を勉強しようと思って法令集を開いたものの、

「どこに何が書いてあるのか分からない」

「最初のページから読んだ方がいいの?」

「問題を見ても、どの条文を開けばいいのか分からない」

と戸惑う人も多いのではないでしょうか。

最初に押さえておきたいのは、法令集は最初から順番に全部読むための本ではないということです。

法規の問題を解くために、

必要な条文を探して、そこに書かれている規定を確認する。

そのために使う本だと考えると、法令集の見え方がかなり変わります。

この記事では、一級建築士学科試験の法規をこれから勉強する人向けに、法令集の基本的な構造と条文の探し方を順番に整理します。

法令集は「読む本」ではなく「探す本」

分厚い法令集を見ると、最初から全部読まなければならないように感じるかもしれません。

しかし、一級建築士試験の法規では、必要な規定を見つけて確認する使い方が基本になります。

例えば問題文に「採光」が出てきたなら、

採光に関する規定はどこにあるのか?

を探します。

そのために使うのが、

  • 索引
  • 目次
  • インデックス
  • 条文内の関連規定への案内

などです。

最初からページを1枚ずつめくるのではなく、問題文から手掛かりを見つけて目的の条文へ移動することを意識しましょう。

法令集には「法律」だけが載っているわけではない

建築基準法の法令集には、建築基準法だけが収録されているわけではありません。

例えば、

  • 建築基準法
  • 建築基準法施行令
  • 建築基準法施行規則
  • 告示

など、役割の異なる規定が収録されています。

ざっくり整理すると、

建築基準法 建築物に関する基本的なルール。

施行令 法律を実際に適用するための、より具体的な基準。

施行規則 申請書類や手続など、さらに細かな内容。

告示 計算方法や技術的な基準などが定められていることがあります。

法令集を開いたときは、

「今、自分は法・令・規則のどこを見ているのか」

を意識してみましょう。

これだけでも法令集の中で迷いにくくなります。

「条・項・号」は条文の住所だと考える

法令集を読み始めると、

「第28条第1項第1号」

のような数字がたくさん出てきます。

最初は分かりにくく見えますが、条文の場所を示す住所だと考えると整理しやすくなります。

例えば、

第28条=建物 第1項=その建物の階 第1号=その階にある部屋

というイメージです。

「第28条第1項第1号」と書かれていれば、

  1. 第28条を開く
  2. その中から第1項を探す
  3. さらに第1号を探す

という順番です。

最初は数字が多く見えても、条 → 項 → 号の順番に追えば大丈夫です。

条文を見つけても、そこで終わらないことがある

法令集を引くときに重要なのが、条文の中にある別の規定への案内を見落とさないことです。

例えば、

「政令で定める」

と書かれていれば、詳しい内容が施行令に定められていることがあります。

同じように、

「国土交通省令で定める」

とあれば施行規則、

「国土交通大臣が定める」

とあれば告示につながる場合があります。

つまり、

法律の条文を見つけた=答えを全部見つけた

とは限りません。

条文の中に別の規定への案内があれば、その先までたどることが大切です。

法令集の欄外や周辺の案内も見る

受験用の法令集には、関連する条文を探しやすくするための案内が掲載されているものがあります。

例えば法律の条文の近くに、

関連する施行令の条文番号

などが記載されていることがあります。

その番号を確認すれば、次にどこを見ればよいのか分かります。

そのため、条文本文だけを見るのではなく、

欄外や条文周辺の案内

にも目を向けてみましょう。

ただし、案内の書き方や掲載位置は法令集によって異なります。

自分が使う法令集では、関連条文への案内がどこに表示されているのか、一度確認しておくとよいでしょう。

実際に「採光」で条文を探してみる

では、実際に条文を探す流れを考えてみます。

例えば問題文の中心となる言葉が、

「採光」

だったとします。

まずやることは、問題文からこのキーワードを拾うことです。

次に、

法令集の索引や目次で「採光」を探します。

動画では、ここから採光に関する基本的な規定として建築基準法第28条を確認しています。

ただし、第28条を見つけたところで終わりではありません。

条文を読むと、詳しい内容を政令で定める部分があります。

そこでさらに施行令へ進み、

  • 対象となる建築物や居室など → 施行令第19条
  • 採光に有効な面積の算定方法 → 施行令第20条

とたどっていきます。

ここで大切なのは、採光の規定そのものを今すぐ暗記することではありません。

覚えてほしいのは、

問題文からキーワードを拾う → 索引・目次で探す → 法律の条文を見つける → 条文内の案内を見る → 必要なら施行令などへ進む

という流れです。

最初のページから順番に探さない

分からない問題が出たとき、

「とりあえず最初から法令集をめくってみる」

という探し方では時間がかかります。

まず問題文を読んで、

何について聞かれているのか

を考えます。

そして、

  1. 問題文からキーワードを拾う
  2. 索引や目次で条文番号を探す
  3. インデックスを目印に目的のページを開く
  4. 条文を読む
  5. 関連規定への案内があれば、その先まで確認する

という順番で探します。

この流れを繰り返すことで、少しずつ法令集を引くスピードも上がっていきます。

インデックスは目的の場所を開くための目印

法令集の横に貼るインデックスは、よく使う分野や条文のページを素早く開くための目印です。

インデックスがあれば、毎回最初のページからめくる必要はありません。

ただし、たくさん貼れば使いやすくなるとは限りません。

インデックスの貼り方については別途詳しく考えるとして、まずは、

法令集を素早く開くための目印がある

という役割を理解しておけば十分です。

法令集を引く基本の流れ

最後に整理します。

一級建築士の法規で法令集を使うときは、

  1. 問題文からキーワードを拾う
  2. 索引や目次で関係する条文を探す
  3. インデックスなどを使って目的のページを開く
  4. 条文の内容を確認する
  5. 別の規定への案内があれば、その先までたどる

という流れを意識します。

法令集は、最初から全部読む本ではありません。

必要な条文を探して、関連する規定まで確認するための本です。

最初は1問調べるだけでも時間がかかるかもしれません。

それでも問題ありません。

まずは過去問を1問使って、

法律の条文を見つけ、そこから施行令までたどる。

この練習から始めてみましょう。

過去問演習を始める際は、過去問クイックのアプリ紹介を見ることができます。

動画で見る

参考:法令の内容は改正される場合があります。受験時は使用する法令集および最新の試験情報を確認してください。