「一級建築士試験って、誰でも受けられるの?」
「実務経験がないと受験できない?」
これから一級建築士を目指そうと思ったとき、最初に気になるのが受験資格ではないでしょうか。
現在の一級建築士試験では、受験資格を満たしていれば、必ずしも実務経験を積んでから試験を受ける必要はありません。
ただし、
「試験を受けるための受験資格」
と、
「一級建築士として免許登録するための要件」
は別です。
ここを混同しないように、一級建築士の受験資格を整理していきます。
まずは60秒で確認
「まず全体だけ知りたい」という方は、こちらのショート動画で約1分にまとめています。
この記事では、動画では説明しきれなかった細かな条件まで見ていきます。
一級建築士試験を受験できるのはどんな人?
一級建築士試験の受験資格は、建築士法第14条により、建築に関する学歴または資格等によって定められています。
主な受験資格は次の4つです。
1.建築に関する学歴要件を満たしている人
大学、短期大学、高等専門学校、専修学校などで、建築に関する所定の科目や課程を修めて卒業した人です。
ただし、
「建築系の学校を卒業していれば、すべて受験できる」
という意味ではありません。
学校や学科、入学年度、修得した科目などによって受験資格が決まります。
2.二級建築士
二級建築士の資格を持っている人も、一級建築士試験の受験資格があります。
学歴要件ではなく、二級建築士という資格をもとに一級建築士試験を受験することができます。
3.建築設備士
建築設備士も、一級建築士試験の受験資格として認められています。
4.その他、国土交通大臣が特に認める人
外国の大学を卒業した場合など、一定の条件を満たす人については、国土交通大臣が特に認めることで受験資格が認められる場合があります。
外国大学等の学歴を利用して受験する場合は、個別の審査が必要になるため、試験実施機関で確認してください。
学歴で受験する場合は「入学年度」に注意
学歴をもとに受験する場合、特に注意したいのが学校へ入学した年度です。
現在は、大きく次の2つに分かれています。
平成21年度以降に入学した人
国土交通大臣が指定する建築に関する指定科目を修めて卒業していることが要件になります。
そのため、同じ「建築系の大学卒」であっても、実際にどの指定科目を修得したかによって扱いが変わる場合があります。
平成20年度以前に入学した人
平成20年度以前に入学した場合は、現在の指定科目制度とは異なり、所定の課程を修めて卒業していることが要件になります。
つまり、
学校名だけで「受験できる・できない」を判断しない
ことが大切です。
実務経験がなくても一級建築士試験を受験できる?
ここが一番誤解されやすいところです。
現在は、受験資格を満たしていれば、実務経験を積み終わる前でも一級建築士試験を受験できる場合があります。
令和2年以降、一級建築士試験の合格者については、従来の実務経験要件を免許登録時に審査する仕組みになっています。
たとえば、学歴要件を満たして大学を卒業した人であれば、必要な実務経験をすべて積み終わる前に一級建築士試験へ挑戦することができます。
ただし、試験に合格しただけで、すぐに一級建築士として登録できるわけではありません。
「試験合格」と「一級建築士になる」は別
ここは整理して覚えておきましょう。
一級建築士試験を受ける ↓ 受験資格を満たす
一級建築士試験に合格する ↓ 必要な実務経験など、免許登録の要件を満たす
一級建築士として免許登録する
という流れになります。
つまり、
受験資格 ≠ 免許登録要件
です。
登録するときには、どのくらい実務経験が必要?
必要となる実務経験年数は、学歴や修得した指定科目の単位数などによって異なります。
代表的な区分としては、大学等で指定科目を修得している場合、修得単位数などに応じて必要な実務経験年数が異なります。
また、二級建築士や建築設備士の資格をもとに受験した場合にも、免許登録時には所定の実務経験が必要です。
ここは個人ごとに条件が異なるため、実際に登録する際には最新の公式情報を確認してください。
「建築会社に○年勤務」なら実務経験になるわけではない
もう一つ注意したいのが、実務経験の考え方です。
登録に必要なのは、単純な建築関係の会社への在籍年数ではありません。
一級建築士の免許登録で認められる対象実務に実際に従事した期間が、実務経験として審査されます。
そのため、
「建設会社に4年間勤務したから、実務経験4年」
と単純に判断できるとは限りません。
自分の仕事内容が対象実務に該当するかについても、免許登録時の基準を確認しておく必要があります。
自分に受験資格があるか分からないときは?
特に学歴で受験する場合は、
- 入学年度
- 学校
- 学科
- 修得した指定科目
- 卒業年度
などによって判断が変わることがあります。
「たぶん大丈夫だろう」と判断するのではなく、最終的には試験実施機関である建築技術教育普及センターの公式情報を確認してください。
一級建築士試験「受験資格」公式ページ
こちらから、学歴要件となる学校等の一覧や、入学年度ごとの詳しい条件も確認できます。
まとめ|受験資格と登録要件を分けて考えよう
一級建築士試験の主な受験資格は、
- 建築に関する学歴要件を満たしている人
- 二級建築士
- 建築設備士
- その他、国土交通大臣が特に認める人
です。
そして現在は、
実務経験を積み終わってからでなければ試験を受けられない、という制度ではありません。
受験資格を満たしていれば試験を受けることができ、必要な実務経験については免許登録時に審査されます。
これから一級建築士を目指す方は、
「自分は試験を受けられるのか」
と
「合格後、いつ免許登録できるのか」
を分けて確認しておきましょう。
※受験資格や制度は変更される可能性があります。実際に受験する際は、必ず建築技術教育普及センターの最新情報をご確認ください。